日曜日の朝9時半に着くとすでに長打の列だった。ほどなくして、人数を数えている係りのひとが、4時間待ちだと教えてくれた。
刑務所という特殊な建物なので、防災のための非常口が少ない関係上、一度に限られた人数しか建物内に入ることができないそう。
そして、結局4時間待った。
並び始めてしばらくして私たちの後方では列が締め切られ、11時近くに来たひとはもう並ぶことさえできなかった様子。
Donjailは、1862年から1865年にかけて建てられた。
1977年に閉められたときには多すぎる囚人と時代遅れの刑務所だったが、当初は、進歩的な施設で、囚人の為の宮殿と呼ばれ、豪華すぎると非難を浴びた。
↑の入り口から入ったところ↓ トムクルーズの映画Cocktailの撮影に使われた場所でもある。
天井部は採光のため吹き抜けになっている。
↓蛇(serpent)は悪事を、ドラゴンは番人をあらわしているそう。
↓刑務所長が家族(娘含む)とともに暮らしていた部屋。一家で建物内に住んでいた。
↓死刑囚の独房。トイレと洗面台が設けられていた。
1951年と1952年にBoydというギャングの脱走があった。一回目は、義足に隠したのこぎりを使って、下↓の窓から抜け出した。そのため、この窓の鉄格子は3重になっている。二回目は、鍵を石鹸におしつけて型をとり、その石鹸につけられた跡より複製した鍵をつかって脱走した。
食事にはDonRiver(近くの川)で捕られた鮭がしばしば供された。
女性や子供の囚人もいて、女性には料理や編み物、洋裁を、男性には農業が教えられた。
↓横幅1メートルもないくらい狭い場所に囚人3人が収容され、3段のハンモックで寝ていた。
↓建物内の、絞首刑の場所。縄を切って吊るされた死体を下に落とした。
↑の天井部↓。縄を吊るしていた部分。
↓建物の正面。扉の上部の顔の彫刻は、Father Timeと呼ばれる時の象徴。
もうすぐ刑務所は取り壊され病院になるが、歴史的建造物としての外観は残して建設が進められるそう。
↓出所した囚人たちは、壁に自分の名前を刻んだ。
↓名前とともに、1958年と記されている。
Don Jailでは、34人が処刑された。カナダで最後に処刑が行われたのは1962年のこと。
↓ちょうどこの赤いテントの場所で絞首刑が行われた。
↓左の新しい建物は、裁判などで判決が下されるまで収監される建物。
2年前この建物を建設する際、処刑された17人の遺骨が発見された。それらの遺骨はSt.James墓地に移された。
無料で見学できたのはこの2日間のみだったが、しばらくの間は入場料を払えば見学できるらしい。
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